TECHNOLOGY EAGLYSの秘密計算技術
秘密計算とは、秘密の状態で計算を可能とする技術カテゴリーの総称です。海外ではPrivacy Enhancing Technologies(プライバシー強化技術 / PETs)とも呼ばれ、AIの学習やデータ分析の際、プライバシーや機密情報を保護したまま利用を可能とする技術として2025年には企業の60%が利用する技術として注目されています(※)。当社では、準同型暗号を中心として下記の秘密計算技術の研究と社会実装を進めています。
準同型暗号
暗号化したまま計算や検索ができる暗号化方式です。演算するときに複数の事象の類似性を利用する”準同型”という数学的な性質を応用しています。
- 暗号状態を一切解くことがなく計算が可能
- 鍵と暗号データの分離が可能なため、データの主権を他社(クラウド事業者など)に渡すことなくデータ利用が可能
連合学習
ローカルの複数のAIが解析した特徴データを集積して再学習(連合学習)し、再学習された学習結果を各AIに戻すことで、参加するAI全ての精度向上を図る技術です。
- 特徴データの生成にローカルのAIを用いることでプライバシーデータ等の制約を低くしたAIの学習が可能
- 海外では製薬AIの学習にも利用される技術
TEE
CPU等を利用してOSとは独立した隔離実行環境(Enclave)で“誰も見えない(アクセスできない)状態”で処理を実施することで秘匿状態での計算を実行する秘密計算技術の一種です。
- Root of trustや第三者がTEEのハードウェアや意図したコードであることを検証するRemote Attestationといった機構で“誰も見えない状態”を確保することがポイント
- 方式としてはCPUやGPUを利用したハードウェアベースのものと、クラウド環境等で提供される論理隔離環境ベースのものがある