Issue よくある課題
グローバル企業との競争が年々激しさを増す一方、現場では熟練工の世代交代を迎え、省人化・技術継承を迫られています。また、クラウド・バイ・デフォルト、スマートファクトリー化等、業界全体でDXを推進し、生産性向上やリソースアロケーションの最適化につなげていく動きが活発化しています。
一方、社内にデジタル人材が不足していることで、検討が思うように進まないケースが散見されます。AI活用やDX推進の検討を進めてみたものの、AIアルゴリズムの生成に必要なデータが不足していて期待どおりの成果が得られない、クラウド上でのデータ連携に対するセキュリティ対策が不十分でデータが連携できない、等の理由によりプロジェクトが座礁するという話を耳にします。
AI Analysis AI解析の取り組み
工場内の異常を自動で検知。AI画像解析で業務の標準化とコスト削減を同時に実現
某製造会社ではこれまで製造過程で生じる粉塵が適正値を超えて放出されていないかをオペレーターのモニタ監視(目視)により確認し、予防に努めていました。ただし、人による目視作業のため見落としリスクを排除することが難しく、目視のための人員を配置するコストも余計に生じていました。
通常、AI画像解析により異常検知を自動化するためには、AIへ異常時のパターンを学習させるためのデータ(AIに異常な状態だと学習させるための教師モデル)を用意する必要がありますが、通常時のデータとは異なるため、データ量やパターンの確保が難しいとされています。
通常、AI画像解析により異常検知を自動化するためには、AIへ異常時のパターンを学習させるためのデータ(AIに異常な状態だと学習させるための教師モデル)を用意する必要がありますが、通常時のデータとは異なるため、データ量やパターンの確保が難しいとされています。
イーグリスでは通常時の画像分析と類推をおこなうことで、異常状態がどの程度通常の状態から逸脱しているかを判断するAIモデルを作成し、教師なし学習による異常検知をAIで実現しました。工場内の粉塵放出トラブルを早期検知、検査オペレーションの無人化までつなげることができました。
AI数値解析で工作機械のメンテナンスコストを削減
工作機械に組み込まれている工具(ドリルやスクリュー等)は製造過程で摩耗し金属が欠けたりしますが、金属疲労を事前に予知(不調検知)することは難しく、某社では熟練工の経験によって事前に不調を検知していました。人手でおこなっているため事前検知できない場合も多く、故障の都度生じるダウンタイムやメンテナンスコストに悩まされていました。
イーグリスはAI数値解析技術を用いることで工具の不調検知の自動化に取り組みました。工具の振動データや利用している環境や工程等のデータをもとに工具の摩耗度合いを可視化。さらに複数のデータを掛け合わせ適切なメンテナンス時期を予測することで、ダウンタイムの削減やメンテナンス作業の効率化へ貢献しました。
Data Security & Utilization of data データセキュリティ/データ利活用の取り組み
AI解析をオンプレミスからクラウドへ。複数工場のAI解析もセキュアに実施し、生産効率を向上
某製造会社では自社製品の作業効率と品質向上のためオンプレミス環境にてAIを活用した外観検査をおこなっていました。AIのパフォーマンス向上やメンテナンスコストの削減に向け、クラウドへの移行を検討していましたが、セキュリティリスクへの懸念があり、なかなか移行に踏み切れずにいました。
イーグリスはクラウド上でデータもAIモデルも暗号状態で計算処理がおこなえるAI解析向け秘密計算ソフトウェアDataArmorGateAIを提供することで顧客の課題を解決。独自開発のAIモデルも暗号状態でAI画像解析がおこなえるため、構築したAIモデルがそのまま使え、運用も変更することなくよりセキュアにAI解析をおこなえるようになりました。いまでは複数工場のデータをクラウド上でAI解析をおこなうことで、パフォーマンスのさらなる向上と生産効率の向上へ取り組んでいただいています。
工場間データ連携をクラウドでセキュアに実現
複数の工場で関連部品や類似製品の製造ラインを持つ某製造会社では、製造状況や品質分析結果等の工場間での連携を目指していましたが、データの機密性の高さゆえ、クラウドを介すことへのセキュリティ面の懸念が大きく取り組み推進の障壁になっていました。そのため、データを連携する際は、人がセキュリティスペースへ物理的に移動し、データのマスキング処理をおこなってからデータ連携をおこなっていたため、データの精度や分析スピード、管理、コスト等、様々な面で課題を抱えていました。
イーグリスは秘密計算技術や仮想化技術等のデータセキュリティ技術を活かし、クラウド上でセキュアに機密データを管理できるデータ共有環境を提案しました。秘密計算技術を活用することで拠点を跨いだデータ連携をセキュアにおこなうことができるようになります。将来的には、製造工場の保有するデータと他業態のデータを連携させることで市場の需要予測や供給量最適化につなげる等、データビジネスの基盤としての活用いただけます。