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AI(人工知能)とは、人間が思考しているかのように振る舞うシステムまたは技術を指します。AIには複数の種類があり、タスクの幅や知能レベルで分類されます。この記事では、業務効率化によるコストの削減や、生産性の向上を考えている人に向け解説します。AIの導入を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。
AI(人工知能)とは
近年盛んに研究されているAI(人工知能)について、概要と歴史を解説します。
概要
人工知能と呼ばれるAI(Artificial Intelligence)は、人間と同様の知能をコンピュータ上で再現しようとする技術です。ただし、AIの定義は定まっておらず、専門家によってさまざまな概念があります。
AIは音声や文章、画像などを認識できます。チャットボットにAIが搭載されるなど多目的に活用されつつあります。
AIの歴史
AIの研究は1950年代に端を発し、近年に至るまで積極的に研究がなされています。1950~1960年代は第一次ブームと呼ばれ、AIの可能性を否定する人々により終焉を迎えました。1980年代には第二次ブームが起こりましたが、その時点でもAIは実用的なレベルにまで至っていません。近年は第三次ブームとして、より高度なAIの開発が進められています。
AI分類の種類
AIは、複数の種類に分類されます。以下ではそれぞれの分類の詳細を解説します。
タスクの幅
AIはこなせるタスクの幅により特化型と汎用型に分類されます。近年のAIのほとんどは特化型であり、汎用型の実用化が望まれます。特化型と汎用型については以降で詳しく解説します。
知能のレベル
AIごとに、知能のレベルはさまざまです。AIが処理できるレベルは大きく分けると2段階、細分化すると5段階に分けられます。AIの知能のレベルについては以降で詳しく解説します。
分析技術
AIの分析技術は3種類に分類が可能です。分析技術により処理結果が異なるため、目的に応じたAIを選定する必要があります。AIの分析技術については以降で詳しく解説します。
タスクの幅で分類したAI
特化型AIと汎用型AIの概要について、具体的な応用例を踏まえて解説します。
特化型AI
特化型AIとは、特定のタスクに特化したAIです。特化型AIの分析力は非常に高く、特定の分野に限っては人間の思考を超えるケースも少なくありません。近年実用化されているAIは特化型が大多数であり、お掃除ロボットや将棋などさまざまな分野で活躍しています。
特化型AIは「言語」「音声」「画像」「制御」「推測」など、分析対象のデータやアウトプットする能力ごとに得意分野が分かれています。また、得意分野以外では自ら思考したり学習することはできないAIを特化型AIと呼びます。
汎用型AI
汎用型AIは複数のタスクに対応できます。さまざまな思考・検討ができ、はじめての状況にも対応することができます。
たとえば、汎用型AIが一般化すると掃除・炊事・洗濯といったさまざまなことに対応できるようになり、私たちの生活がより豊かになると考えられています。AIの技術は進歩していますが、汎用型AIはいまだに研究の領域を出ず、実用化されていません。
知能のレベルで分類したAI
AIは知能のレベルでも2種類に分類されます。以下では弱いAIと強いAIについて解説します。
弱いAI
弱いAIとは、与えられたタスクを処理するAIです。弱いAIは機械的にタスクをこなすため、イレギュラーな事態が起きると、弱いAIでは対応が困難です。したがって本当の意味で人工知能の立ち位置を獲得しているとはいえません。近年、普及がめざましいAIは、大多数が自ら考えてタスクを行うことはできないため、弱いAIに分類されます。
強いAI
強いAIとは、事前に組まれたプログラムを元に、総合的な判断や意識を持っているAIを指します。フィクションの世界に登場するロボット等が代表的で、人間のように感情を持ち、柔軟に思考することで自立的に問題を解決できます。あらかじめプログラムされていないケースへも対応が出来るのです。
強いAIは、将来的に感情を持つようになるという専門家もいるほどです。しかし、強いAIが完成するまでには多くの技術的な課題が立ちはだかり、現時点では実用化に至っていません。
分析技術で分類したAI
AIの分析技術にはさまざまな種類があり、性質や用途によって分類されます。以下では、分析技術で分類したAIについて解説します。
ルールベース
ルールベースとは、人間が設定したルールをもとに状況を判断する分析技術です。設定・入力されていないルールがあればAIは分析を実行できません。
ルールベースのAIは問題解決や推論など論理的な処理に適しています。入力するルールが有限な場合は、ルールベースのAIが有効といえます。
機械学習
機械学習とは、大量のデータを統計的に解析し、ルールを自動的に生成する分析手法です。機械学習は「狭義の機械学習」と「深層学習」とに分けられます。狭義の機械学習は、さらに「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つに分類されます。
ここでは「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」について詳しく解説します。
教師あり学習
教師あり学習とは、AIに特定のラベルを付けたさまざまな「教師データ」を与えて、ラベルを付ける条件を導き出させる手法です。教師あり学習では、多くの教師データを既知の情報として用意する必要があります。
教師あり学習を使うと、未知の情報に対応できる回帰モデルや分類モデルを構築可能です。たとえば、電子メールのスパム判定や株価の予測などに役立ちます。
教師なし学習
教師なし学習でも、AIに大量のデータを与えて分析させます。ただし、データの中身は特定のラベルを付けた教師データに限りません。教師なし学習のAIは、データのグループ分けや情報の要約が可能です。
教師なし学習のAIはクラスタリングなどに利用され、データ固有の頻出値を調査できます。たとえば、ECサイトのマーケティングに教師なし学習を使うと顧客の分類からアプローチまでを自動化できます。
強化学習とは
強化学習を使うAIは、自身で「最適」な行動を思考錯誤して実行に移します。強化学習では「報酬」が指標となり、AIはもっとも高い報酬を得られる方法を自力で考えます。
たとえば、掃除ロボットに搭載されたAIはゴミという報酬をもっと多く収集できるルートを導き出し、掃除を行えます。ほかにも、AIの教科学習は将棋やチェスなどにも利用されています。
ディープラーニング(深層学習)
近年のAI開発における主流は深層学習です。深層学習では、ニューロンのネットワーク構造のように複雑な処理工程を駆使し、精度の高い分析結果を導きます。
深層学習では、何段階もの処理を重ねることで、人間にはハードルの高い分析が可能になります。たとえば、需要予測やビッグデータから読み取れる傾向の可視化などは、深層学習の一例です。そのほか日常生活では、音声認識によるスマートスピーカーにも深層学習が応用されています。
AIが人間の能力を超える可能性はあるか
汎用性AIや強いAIを実現するためには、これまでのAIとは異なる仕組みの技術が必要です。しかし、現時点では人間のような、または人間を上回る知能をもつAIができる見込みはありません。AIの知能が及ばない部分は、人間が手助けする必要があります。AIの分析能力をうまく活用すると、ビジネスの選択肢が増えると考えられます。
まとめ
AIの導入を検討する場合は、自社の課題に合わせて導入方法や種類を選ぶ必要があります。社内に専門的な人材がいない場合は、相談できる企業への外注もご検討ください。
EAGLYSは、AIの構想策定から協働し、お客様のアイデアを具現化します。AIアルゴリズム設計技術に長けており、様々な種類のモデルを設計いたします。EAGLYSにご興味のある人は、ぜひお問い合わせください。資料請求、セミナー・イベント申込フォームからのご連絡もお待ちしております。