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【CEO】リアルデータの流通基盤を創るEAGLYSの今までとこれから~米国での失望から生まれた信念~

EAGLYS 代表取締役 / CEO (Chief Executive Officer) 今林 広樹

創業のきっかけ

2015年から2016年にかけて、米国サンフランシスコにある企業でデータサイエンティストとして働いていました。当時の米国ではフィンテックのイベントやIEEE等の情報処理関係のカンファレンスに赴くと必ずといっていいほど「ビッグデータ」「機械学習・AI」といったキーワードを耳にしました。世間的にもシンギュラリティやデータ活用・AIの時代がくるといわれ盛り上がっていました。

一方、データサイエンティストとして携わっていたデータ分析業務の企画のため、会社に追加でデータを共有してもらえないか相談したところ「そのデータは機密だから取り出せないし、活用したいならキミがウチの子会社に就職するしかないよ」と断られてしまいました。

機密データだから仕方ないかと半ば諦めのような納得感とともに、大きな違和感を抱きました。”何故データではなく人が動かないといけないのか”、”何故カンファレンスではビッグデータの活用がこれほど盛んに叫ばれているのに実際の現場はこうもアナログなのか”、”米国ですら常識に囚われてデータ活用の制約をうけてしまうのか”……時代の最先端だと思っていた場所でもこうなのかと激しく落胆しました。(苦笑)

セキュリティとプライバシーの時代が来る。

ただ、時代の最先端だと思っていたアメリカで実際とのギャップを目の当たりにしたことで“「データ活用の時代」は投資家が思うスピードでは来ない。AIやデータ活用を進めばいずれどの企業もいまの自分と同じ壁が立ちはだかる。そして、この壁を形作っている原因はセキュリティとプライバシーの課題だ。”と確信しました。

GoogleがWebを開放しデータへのアクセスを可能にしたように、『AIやデータ活用が進めば、いずれ企業に眠るプライベートデータにも迅速にアクセスできるネットワークが必要となる。そして、データ連携を進める上でセキュリティとプライバシーの課題を解決する技術はマストである。データを安全に繋ぐ技術の社会実装が企業の生産活動や我々の生活に大きなインパクトをもたらすデータ活用のためのインフラとなる』と強く感じたことは今でも忘れません。

暗号状態のままデータを繋ぐ秘密計算

米国でデータセキュリティ・プライバシーの重要性とデータ連携が生み出す価値の大きさに気づいてからは、データを秘匿しながら暗号状態で計算・分析がおこなえる秘密計算技術を自らの研究対象のコアにおきました。

帰国後、大学院で国家プロジェクトの研究助手を務めつつ、国内トップクラスの秘密計算の研究室に身をおき、秘密計算の研究に没頭していました。まわりの方のサポートのおかげもあり、修士一年目で複数の論文発表をおこない、博士課程にも飛び級で進み、さらに研究成果をもとに早期に社会実装を手掛けることができました。

そしてこの領域でグローバルに貢献し、産業構造を変えていくインパクトを起こすことを志し、在学中にEAGLYSを創業しました。 

EAGLYSが実現したいこと

GoogleやAmazonが変えたのはオンライン市場で、医療、金融、製造などのリアル産業は未開拓領域です。リアルワールドのデータアクセスは、その機密性ゆえにコストがかかり、秘匿性が高く、それゆえデータ活用が進んでいません。”オンラインデータのアクセスのように、オフラインデータに簡単にアクセスする”。要は様々なデータを繋げて活用できるようにしていくこと、データが真に活用される社会基盤をつくること、そういう信念のもとに創業したのがEAGLYSです。

リアル産業に眠るデータへの情報アクセスを簡単におこない、各企業が機密性・秘匿性の高いデータをスピード感もって活用するためセキュリティ・プライバシーに保護しながらデータをセキュアに集め繋いでいく。また、繋いだデータや集まったデータをAI解析をもって価値に変えていく、EAGLYSは片方どちらかではなく双方に対応できるようAI事業とデータセキュリティ/データ利活用事業の2事業を基軸としています。

当然大掛かりな仕事で、短期的に考えればとても困難な道のりとも言えるでしょう。私たちの扱う技術はグローバルでは必須の技術と認められた今でも、日本では浸透のスピードが極端に遅く、新しいコンセプトとされてしまうため、羽ばたこうとすればするほど超えなければならない課題が挙がってきます。この逆境に対して開拓を諦めないファーストペンギンでありたい、逆境をENJOYできる探求心のある変革者でいたいと常に考えています。

中長期のビジョン

データ連携・データ活用はいまや国の政策や大手企業の経営アジェンダに上がるようになってきています。事業者がデータを自由に活用しビジネスを変革していくためには、業界全体を股にかけたデータ連携をおこない、情報資産配分の最適化や透明化を実現する必要があります。EAGLYSが事業者の間に入ることで低コストかつ高スピードにデータの社会還流を進め、物流や金流、人流の効率化を図り、リアル産業の底上げをしていきたいと思っています。

数年後の上場も視野に入れてはいますが、あくまで通過点として、です。リアルワールドのデータを繋いでいくという大仕事はまだ始まったばかり。現状、1%も実現出来ていないと思っているので、残りの99%もの市場の白地と技術進歩のポテンシャルを感じながら日々取組んでいます。来たる「データが価値をともない、流通され決済される”データ利活用時代”」に向け、中長期ではリアルワールドでのデータ連携・利活用の実現を目指しています。上場後に資金調達をして最適な戦略を描き実行していくようなスケールの大きな取組がまだまだ沢山あるので、上場後のさらなる楽しみに捉えています。 

興味を持ってくださる方へのメッセージ

リアル産業のデジタル化に向けて、次世代のインダストリーデータ連携基盤づくりをテクノロジーというメスをもってスタートアップしていくことに共感してもらえる方には、ぜひEAGLYSを見に来て感じて欲しいです。

社会に実装するマインドをもって新たな技術を生み出すR&Dチーム、テクノロジーをもって業界のエンタープライズと共創・オープンイノベーションを進めるBizDevチーム、勢いある事業推進をファイナンスやガバナンスの観点からしっかりコントロールし支えてくれるBusiness Operationチーム、どのポジションも重要な役割をもっています。

ここまでのお話で少しでも興味をお持ちいただいたポジションはありましたか?

EAGLYSの事業や社会貢献の形に共感をいただけていましたら、ぜひカジュアルにお話しましょう。面談のお申込み、ご応募をお待ちしております!


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