ニュース

化学業界の安全な企業間データ&AI連携パッケージを開発〜EAGLYS秘密計算で次世代型マテリアルズ・インフォマティクスを実現〜

作成者: EAGLYS株式会社|Oct 31, 2022 3:00:00 PM

 EAGLYS(イーグリス)株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:今林広樹、以下EAGLYS)は、化学業界の素材開発において、従来技術では困難であったデータやアルゴリズムを秘匿した状態での企業間データ連携やマテリアルズ・インフォマティクスへのデータ活用を実現する次世代型マテリアルズ・インフォマティクスソリューションEAGLYS ALCHEMISTA(イーグリス・アルケミスタ)の開発を発表いたします。

取り組みの背景


 化学業界におけるデジタル・トランスフォーメーションの一環として、昨今マテリアルズ・インフォマティクス(以下、「MI」と表記)が注目されています。MIの実現には多くのデータが必要となり、政府や業界団体からも企業間データ連携についての提言がなされていますが、特許・知財保護の観点から、単純なデータ連携は現実的でないのが現状です。また、研究開発の多くは、複数の企業を横断して進められる場合が多くありますが、こういったビジネス上での企業間でもデータ連携は進んでおらず、定性的なやり取りにより多くの期間やコストが発生しています。こうした現状に “秘匿データ保護”と“データ活用”の両立を実現する技術「秘密計算」を活用し開発を進めているのがEAGLYS ALCHEMISTA(以下、「アルケミスタ」と表記)です。

EAGLYS ALCHEMISTAについて


 アルケミスタは、化学品開発に関わる機微なデータを、EAGLYS秘密計算技術を利用し“秘匿化したまま計算可能な状態”で企業間連携することで研究開発のスピード向上、コスト削減に寄与する次世代型のマテリアルズ・インフォマティクスソリューションです。主な機能は下記の3つの機能となります。


1.安全なデータ連携


 EAGLYS の準同型暗号方式による ”秘密計算“ を利用し、各社の社外秘情報は秘匿化したまま、企業間のデータ連携・活用を実現。これにより、実験データや研究データといった重要なデータを、相手には見えない状態で統合しながらも、統合したデータから分析や予測といった計算結果を得ることが可能となります。

2.企業横断の実験シミュレーション


 秘密計算で暗号化された各社のデータを元に、機械学習モデルを自動的に構築。複数企業を横断した材料開発シミュレーションを実行します。 機械学習モデル構築にコーディングは不要なため、 特殊な知識が無くともデータがあれば機械学習モデルを利用したマテリアルズ・インフォマティクスが可能となります。

3.最適な組成、条件探索


 目標の物性を得るために最適な実験条件を逆解析によって算出します。物性の目標値を入力し実行ボタンを押すと、遺伝的アルゴリズムをベースと した機械学習モデルが最適な実験条件パターンを複数表示。各社は、解析結果を参照し最適な条件のみで実験を行うことが可能です。

今後のスケジュールとPoCについて


 アルケミスタは2023年1月のβ版リリース、2023年6月正式リリースの予定で開発中です。現在、β版のPoCにご協力いただける企業様を募集しております。ご興味がある企業様は下記よりご連絡くださいませ。

【アルケミスタお問い合わせフォーム】
 https://lp.eaglys.co.jp/product/alchemista/contact

【アルケミスタ Webサイト】
 https://www.eaglys.co.jp/product/alchemista/


■秘密計算とは
 秘密計算とは、データを暗号化したまま計算できる新しい概念の技術です。秘密計算技術を用いることによってデータそのものも計算処理過程も暗号化されるため、個人情報や企業の機密なデータを活用するための匿名加工作業をおこなうことなく、複数企業間でも互いにデータ秘匿したまま連携・分析できるようになります。
このように生データの精度とセキュリティを両立させてデータ分析がおこなえることから、データ利活用時代のトップトレンド技術として国内外で注目を集めています。
EAGLYS秘密計算について:https://www.eaglys.co.jp/service#datasecurity


■本リリースに関するお問い合わせ先(EAGLYS株式会社)
EAGLYS株式会社 :太田、志村
E-Mail: pr@eaglys.co.jp