その一方で問題となるのが、社内のデジタル人材不足です。AI活用やDX推進の検討を進めてみたものの「AIアルゴリズムの生成に必要なデータが不足していて期待どおりの成果が得られない」「クラウド上でのデータ連携に対するセキュリティ対策が不十分でデータが連携できない」といった理由でプロジェクトが座礁することも少なくありません。
今回はEAGLYSが製造業のお客様に向けて開発させていただいた、AIによる画像解析を活用した 製造現場向けソリューションを3つご紹介。EAGLYSのコアとなる秘密計算とAIの技術で、お客様が業務で抱える課題を解決していきます。
某製造会社では、製造過程で生じる粉塵が適正値を超えて放出されていないかをオペレーターのモニタ監視(目視)で確認し、予防に努めていました。この方法で問題となっていたのが、見落としのリスク。目視の人員を配置するコストも生じていました。
通常、AI画像解析で異常検知を自動化するためには、AIに異常時のパターンを学習させるためのデータが必要です。これは通常時のデータとは異なるため、データ量やパターンの確保が難しいとされています。
EAGLYSは通常時の画像分析と類推をおこなうことで、どの程度通常の状態から逸脱しているかを判断するAIモデルを作成し、教師なし学習による異常検知をAIで実現。工場内の粉塵放出トラブルを早期検知し、検査オペレーションの無人化までつなげることができました。
工作機械に組み込まれているドリルやスクリューなどは、摩耗すると金属の欠けが発生します。某社ではその不調検知を、熟練工の経験で予測していました。人手でおこなっているため事前に検知できない場合も多く、故障の都度生じるダウンタイムやメンテナンスコストに悩まされることもあったのです。
EAGLYSはAI数値解析技術を用いることで、工具の不調検知の自動化に取り組みました。工具の振動データや利用している環境や工程等のデータをもとに、工具の摩耗度合いを可視化。さらに複数のデータを掛け合わせて適切なメンテナンス時期を予測することで、ダウンタイムの削減やメンテナンス作業の効率化へ貢献しました。
複数の工場で関連部品や類似製品の製造ラインを持つ某製造会社では、製造状況や品質分析結果などの工場間連携を目指していました。データの機密性の高さゆえに障壁になったのが、クラウドを介すことへのセキュリティ面の大きな懸念。データを連携する際は、人がセキュリティスペースへ物理的に移動し、データのマスキング処理をおこなってからデータ連携をおこなっていたのです。ほかにもデータの精度や分析スピード、管理、コストなど、さまざまな面で課題を抱えていました。
EAGLYSは秘密計算技術や仮想化技術などのデータセキュリティ技術を活かし、クラウド上でセキュアに機密データを管理できるデータ共有環境を提案しました。秘密計算技術を活用することで、拠点をまたいだセキュアなデータ連携が可能です。将来的には、製造工場の保有するデータと他業態のデータを連携させることで市場の需要予測や供給量最適化につなげるなど、データビジネスの基盤としての活用いただけます。