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AIプロジェクトとは、社内にAIを導入するための取り組みのことです。この記事では、AIプロジェクトの進め方を知りたいという方に向けて、AIプロジェクトの概要や進め方などについて解説します。あわせて注意点や成功のポイントなども解説するため、ぜひお役立てください。
AIプロジェクトとは、自社のシステムや新規事業にAIを導入していく計画のことです。AIプロジェクトにはPoCが必要だといわれています。PoCとは「Proof Of Concept」の略であり、AIを導入する前に小さな規模で開発を行い、導入が可能かどうか検証を行うことを指します。
自社全体に一気にAIを導入すると、予期していない問題が発生する恐れがあるため、PoCにより少しずつ導入を進めていきます。PoCを実践しながらAIの導入を進めれば、社内へ着実にAIを浸透させることができます。
ここでは、AIプロジェクトを進めるときの流れを4つのステップに分けて解説します。
まずは、AIプロジェクトを実施するうえで、解決したい自社の課題は、AI活用によって解決に向かうのかを検討します。
検討の結果、AI活用が必要な場合は、分析などに必要なデータがそろっていることを確認します。
データがそろっていることを確認したら、プロジェクトに関わるメンバーを集め、そのチームでプロジェクトを進めていきます。進めるうえでプロジェクトの目的を明確にしていき、目標を達成するには何をすべきかについて検討をします。
AIプロジェクトを着実に進めるために、それぞれの取り組みに関する責任の所在についても、明確にすることが大切です。
最初に決定したAIプロジェクトの企画に沿って、調査(PoC)を進めます。すでに触れたとおり、PoCとはAIを導入する前に小さな規模で開発を行い、導入が可能かどうか検証を行うことです。AIの模型となるモックアップを仮作成して、想定していたAIを開発できたか検証を行います。
具体的には、AI活用に利用できるデータがあるかどうか、データの量が十分か、ディープラーニング(深層学習)が適切に機能するか、オペレーションがうまく回るかなど、チェックを行う項目が複数あります。
PoCで作成したモックアップをもとにして、実際に自社へ導入するためのAIを開発します。
本番のAI導入環境を想定して要件定義を行い、求める効果を発揮できるAIを作ります。このとき、PoCで利用したデータよりも多くのデータが必要になるため、まずはデータを収集します。
必要な量のデータが収集できたら、本番のモデルを開発し、問題なく稼働するか確認します。また、実際の現場でオペレーションがスムーズに回るかどうかに関しても、改めてチェックします。
開発したAIを現場に導入し、適切に運用するための準備を進めます。システムを安定的に稼働させるためには、保守を行うだけではなく、最新のデータを学習させ続け、必要に応じてモデルの制度を改善していきます。最初に定めた目的をどれだけ達成できたかについて確認し、PDCAサイクルを回しながら調整を加えます。
AIプロジェクトではAIを開発して終わりではなく、自社にとって最適な状態に整えられるまで取り組みを続けます。
AIプロジェクトを進める際、目的が不明確であり事前調査が不十分だと、プロジェクトの失敗につながります。ここでは、AIプロジェクトの注意点や課題を解説します。
目的が不明確なままAIの開発を進めると、どのようなデータが必要で、何を分析し、予測したいものは何なのかが曖昧になります。一気に開発に着手せず、まずは目的を定めることが大切です。プロジェクト実施前にチーム内で意見を共有し、チーム内での認識を揃えた上で、チーム全体が同じ目的を意識できるようにします。
AIプロジェクトを成功させるには、事前調査が重要です。調査が不十分なまま開発を進めると、必要のないAIを導入してしまい、無駄な費用がかかってしまいます。
事前調査を徹底して行い、このAI開発が自社のビジネスに本当に必要かどうかを検討することが、対策につながります。
AIプロジェクトを立ち上げたものの、AIについて詳細な知識を持つ人材が社内に揃っていないケースもあります。必要なAI人材がいない場合、適切な計画を作成できず、調査や開発を進めることができないなど、AIプロジェクトを円滑に進めることができなくなります。AIプロジェクトを成功させるには、事前にAIプランナーやAIエンジニアなどのAI人材を育成するか、社外から確保する必要があります。
データが不足していると、AI開発を行っても想定していた精度の結果を出すことができません。AI分析の精度を高めるにはデータの質、量、内容などを充実させる必要があります。分析に使用するデータが充実していれば、AI分析の精度も向上します。
例えば、EAGLYSのサービスではAIを利用してデータ不足を補うことが可能です。不足しているデータを他社から得るためのデータ連携時にも、秘密計算を用いることでデータを守り、セキュリティを保護します。
ここでは、AIプロジェクトを成功させるための具体的なポイントを解説します。
まずは、AIの必要性を判断することから始めます。自社の目的や課題に対し、AIの導入が最適な手段かどうか検討します。課題の解決や目的の達成のためにAI活用が必要な場合、分析に利用するAIの精度を、どのようにして高めていく方法についても考えます。AIに任せる業務の範囲や内容を明確にし、導入を目指すAIについて、具体的なイメージを作っていきます。
AIプロジェクトを進める前に、プロジェクトメンバーのスキルを確認します。プロジェクトオーナーにはAIに関する総合的な知識、全体を主導できるリーダーシップなどが必要であり、各メンバーには役割に応じた深い知見が必要です。AIに関する専門知識はもちろん、周囲と協力するコミュニケーション能力や課題を正しく把握するスキルが求められます。
AIプロジェクトを成功させるには、小さくスタートし、少しずつAIの導入を進め、効果検証を行いながら規模の拡大をはかります。小さくスタートすれば、課題が見つかった際にその都度軌道修正を行いやすくなります。改善を加えながらAI導入の範囲を広げていけば、着実にAIを社内に浸透させることができます。
AIプロジェクトを進めるには、企画、調査(PoC)、開発(実装)、運用のステップを踏む必要があります。成功のポイントを意識し、着実に準備を進めることが必要です。
しかしAIプロジェクトにおいて、PoCがうまくいかないケースも少なくありません。プロジェクトの進め方に不安がある場合は、外部の会社の力を借りることもあります。
EAGLYSは実際の現場で使えるAIをアルゴリズムから開発して提供しています。構想を策定する段階から協働し、アイデアの具現化まで伴走しておりますので、AIプロジェクト進行に関して少しでもご不安がありましたらお気軽にご相談ください。