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技術の発達により、あらゆる業界や分野においてAIとビッグデータの活用が注目されています。この記事では、AIとビッグデータの基本的な知識や関係性、AIやビッグデータが抱えている問題などを解説します。あわせて、AIとビッグデータの活用事例を業界ごとに紹介しているので、ぜひ役立ててください。
AIとビッグデータの概要を解説します。
AIは「Artificial Intelligence」の略語であり、日本語では人工知能と訳されています。
はっきりした定義はありませんが、コンピューターを使って人間が行う知的活動たとえば思考や判断などを再現する技術です。
ビッグデータとは、社会のあらゆる場所で生み出されるさまざまな種類・形の膨大な量の情報群を指しており、3Vで定義されます。
ビッグデータはあまりに量が大きく種類も多いため、活用するにも従来の方法ではどの情報の一部が必要かを見つけるだけでも難しいと言われます。しかしビッグデータの活用可能性は未知数であるという期待もあります。
過去と現在のデータから将来予測に役立てるための解析・分析が可能になるのはもちろんのこと、分析結果を活用して商品やサービスにさらなる価値を付与することもできます。
AIとビッグデータは、双方にとって必要不可欠な存在です。AI技術が発展したことで、従来は難しかった膨大な量のデータ解析や分析が可能となりました。また、AIで処理することによって膨大なデータも管理しやすくなり、必要な時に必要なデータを抽出できるようになります。
このように、AIの発展によりビッグデータの活用が進み、AIの処理能力向上にもビッグデータが必要となるため、お互いになくてはならない存在です。
ビッグデータの普及には「デジタル化」「インターネットの普及」「SNSの普及」という3つの要因があります。
技術の進化により企業のデジタル化が進み、ビッグデータが扱いやすい環境の整備が進んでいます。また、インターネットの普及によって、さまざまな種類のデータを簡単に収集・蓄積できるようになりました。さらに、TwitterやInstagramなどのSNSが浸透したことで、個人の詳細な投稿やアクセス履歴等をはじめとするデジタルデータが膨大に生み出されるようになったことも要因です。
AIとビッグデータの活用事例はさまざまです。ここでは、各業界の活用事例について詳しく解説します。
製造業では、工場の老朽化が深刻な問題となっています。工場やその設備が年々古くなり、メンテナンスをされなくなることで事故が発生するケースも珍しくありません。また、保守作業を行う人材の高齢化などにより、人材不足も深刻化しています。
これらの解決策としてAIとビッグデータが活用されています。具体的には、工場や設備、点検装置などにセンサーを取り付けて振動や温度のデータを収集し、集めたビッグデータを解析して機械が故障する前兆を検知。未然に機械故障や設備の不具合に対応できるようになります。
小売業では、売上管理や生産性向上・オペレーション効率化などにAIとビッグデータが活用されています。たとえば、自社の顧客データや市場動向や経済状況のデータをAIで分析し、マーケティング/PR戦略や店舗での生産性向上が可能です。
また、売上データと顧客データを組み合わせて購買行動を細かく分析することで商品の需給予測や市場予測なども可能となり、効率的な商品供給や入荷・配送手配などに役立てられています。
教育業では、AIとビッグデータを活用して生徒の学習履歴や行動履歴などを収集・分析することで、個人の特性を活かした、質の高い教育の提供に役立てています。
たとえば生徒の学習履歴や行動履歴などをAIが分析することで、学習内容や成果の評価だけでなく、生徒の行動と成績の関係性の可視化することができます。生徒個人の特性や学習状況、家庭環境からくる志向性などに合わせた質の高い教育を個人に提供できるようになるため、成績の改善が見込めます。
観光業でも、AIとビッグデータの活用が進んでいます。AIが進化することで、検索キーワードや口コミなどのビッグデータから顧客ニーズの分析が可能となりました。これにより、提供しているサービスや商品の需要予測や問題点などを把握でき、サービス改善に役立ちます。
顧客の声などを収集・分析できるため、顧客に寄り添ったきめ細かなサービスや顧客が求めるサービスの形も提供しやすくなります。
金融業では、長きにわたりさまざまな業務でAIとビッグデータが活用されてきました。たとえば顧客データと最新の保険プランのデータを元に、対話型式で最適な保険を提案するサービスや、多様化する不正取引の検知等です。
AIとビッグデータは株価動向の分析にも活用されています。最新の株式市場の値動きや世界的な経済状況等さまざまな指標を元に、購入タイミングや投資先が判断しやすくなり、最適な投資のサポートが可能となります。
農業は、自然環境や経済動向などさまざま影響要因があり、植物には個体差があります。そのため、従来は人の勘や経験による状況の判断が求められ、生産計画や収穫などが安定しないケースもありました。一方、農業従事者の人口減少への対応ももとめられています。これらの要因から、農業でもAI・ビッグデータを活用し、収穫予測や生産計画・生産性向上・品種改良などに活かす等、アグリテックやスマート農業も取り組まれ始めています。
たとえば、センサーを設置して日射量や気温、水分量などの把握・分析をおこない、全自動で収穫までの世話を行ないます。これによって収穫予測などもしやすくなり、生産計画や収穫から出荷までの流れが可視化できるようになりました。
医療現場では、複雑で個別性が高いことで構造化できないデータが扱われます。これらの膨大な量のビッグデータをAIで解析することで、たとえば患者の健康状態の監視や健康リスクの把握など、個別化医療や予防医療、新薬開発に活用されています。
また、携帯電話の位置情報などから収集したビッグデータを解析して新型コロナウイルスの感染経路特定などにも役立てられています。
従来の採用現場では、書類審査や面接、試験などの情報を元に採用が行われてきました。しかしこれらの情報だけでは、自社にマッチした人材採用が難しいという背景がありました。
これまで蓄積したデータを分析することで、面接や試験だけではわからない適正や資質が把握できるようになります。これにより、採用前の人材スクリーニングが適切に行われ、入社後のミスマッチを減らし、より自社に合った人材を見つけ出すのに使うことができます。
自動運転はビッグデータの学習をベースにして運転精度を向上させています。
歩行者や走行車両の識別はもちろんのこと、人が運転するときに無意識に判断材料にしている情報もデータ化して蓄積するので、膨大なデータを処理する必要があります。具体的には歩行者や障害物、車両の画像データ、時間帯や天候ごとの走行シーンのデータ、最新の交通道路情報による混雑状況などをAIに学習させて、運転の制度を高めています。
AIとビッグデータは自動運転技術に欠かせない要素だといえます。
さまざまなシーンで活用されているAIとビッグデータには、その特性による課題があります。このセクションではAIとビッグデータの課題を解説します。
ビッグデータを分析する際は、分析できるように意味のある形に整理する必要があります。AIが扱えるデータの形にするための準備や整備には専門的な知識や多くの労力、時間が必要です。
また、ビッグデータの処理に耐えることができるコンピューターやストレージも必要となるため設備投資のコストがかかります。
ビッグデータには、企業が保有する顧客情報などの個人情報が含まれている場合があります。活用方法によってはプライバシー侵害や法律上違反行為にあたる恐れがあるため、慎重な扱いが求められます。誤った使い方や漏えいリスクを回避するためにセキュリティ対策やデータの取り扱いを見直すことが重要です。
DX時代におけるIT人材の不足が問題視されていますが、AIとビッグデータの活用に欠かせない「データサイエンティスト」は特に希少な人材です。
データサイエンティストとは、ビッグデータから必要な情報を抽出・収集・分析し、有益な知見を導き出せるプロフェッショナルです。また、分析結果をもとにビジネス改善の施策立案も行います。AIとビッグデータの活用を成功させるには、適切な人材「データサイエンティスト」の採用も検討する必要があります。
近年では「IoT」が普及してきています。IoTとはインターネットに接続されたモノのことで、たとえばスマートスピーカーやインターネットに接続できる家電などです。
IoTには、搭載されたAIによる学習やデータを蓄積しています。IoTにより蓄積されたビッグデータをAIで解析することで、現在の商品やサービスに新たな価値を付け加え、さらに便利で豊かな社会が形成されるなど多くの期待を集めています。
変化の激しい時代においては、企業のAI・ビッグデータの活用は不可欠な要素となっており、IT技術の飛躍的な進化によってAI・ビッグデータは身近なものとなりました。
しかし、AI導入によるゴールの設計から実現までには多くの課題が付きまといます。
EAGLYSではさまざまな業界でのAI解析を支援してきました。事業アイデアの構想策定から具現化し、AIアルゴリズム設計まで支援してきた豊富な実績を活かし、AIに関するお悩みにお応えします。
どのようなことができるのか、何から着手すべきかといったお悩みから、プロジェクト進行中の困りごとや目的に沿ったデータセットについて等、さまざまな角度からご相談をいただきますので、お気軽にご相談ください。