コラム

AIによる分析とは|導入効果や活用事例、分析に必要な手順を解説

作成者: EAGLYS株式会社|Feb 24, 2022 3:00:00 PM

近年ではAIの活用が身近になってきており、ビジネスシーンではさまざまな業界でAIを使った分析ツールの導入が進められています。この記事では、AI分析ツールにより省人化や業務効率化を実現したい担当者に向け、AIによる分析の基本を解説します。

ビジネスにおけるAI分析ツールの導入効果や活用事例、AI分析ツールを導入する手順まで詳しく紹介します。円滑なAI分析ツールの導入にお役立てください。

AI分析とは

AI分析とは、AI技術でデータを分析する手法の総称です。AIとは「Artificial Intelligence」の略であり、和訳すると「人工知能」となります。以下では、AI分析について詳細や活用されている業界、BI分析との違いなどを解説します。

AI分析とはAIがデータの傾向を分析し状況判断・予測すること

AI分析とは、AI自身が大量のデータから傾向を見つけ出し、状況判断や予測を行う分析手法です。コンピュータによる高精度の計算・処理能力と高い情報分析能力をもつAIが、ビッグデータを合わせて分析することで、データを有効活用した意思決定が加速できると期待されています。

AIは、人による指示がなくともAIのみで業務が遂行できる「自立性」と、業務を反復することで経験を活かした状況判断ができ、予測精度を向上させる「適応性」を備えています。そのためAIによる分析では、人力での分析よりも高い精度が期待できるとともに、これまで人の判断が必要だった分析業務を代替できると考えられています。

AI分析ツールが使われている分野や業界

AI分析ツールが使われている分野や業界は増えてきています。以下に活用事例をまとめました。

 業界/分野  AI分析が活用されている分野/業界・AI活用の事例
医療 AIによる創薬/医療機器への利用
小売 売上の予測/発注業務の効率化
金融 ローン審査/クレジットカードの不正検知
製造 不良品の発見/機器の故障検知
物流 在庫管理のコスト削減/配送管理の効率化
マーケティング 顧客への適切なアプローチ
人材 目的に応じた人材の抜擢


BI分析ツールとの違い

AI分析ツールとBI分析ツールの違いは、最終的な意思決定を誰がおこなうかという点にあります。AI分析ツールでは、大量のデータから学習したパターンによってAI自身が判断して業務遂行できます。

一方、BI分析ツールはデータを整理し可視化するのが主な機能のため、最終的な意思決定は人間が行います。BIツールはあくまでも人間の意思決定を補助するツールであり、AIのようにビッグデータから学習し、自身の判断で業務を遂行するわけではありません。

BIにAIを搭載したツールも登場しており、AIが予測や提案を行いBIによってデータをわかりやすく可視化することができます。

AIにできる分析の種類

 

AI分析ツールは、読み取るデータの種類に応じた分析を行うことができます。

例えば、文章(自然言語)を分析することで文章の内容を判断したり、画像や動画を分析して、不良品検知に生かす事ができます。また、音声を分析することで音を文章化し自動応答したり、誰が話した音声なのかを判別することもできます。

AI分析導入のメリット(導入効果)

各分野で業務効率化に役立つ

AI分析ツールを導入すると、医療・小売・金融・製造・物流・マーケティング・人事など、あらゆる業界で業務効率が向上します。以下では、製造業におけるAI分析ツールの導入メリットを紹介します。

生産性の向上が期待できる

AI分析ツールは、生産計画の立案に役立ちます。AIでは過去の製造機器の稼働状況や作業員の人数を学習し、最適な生産計画を作成します。これにより、限られた人材を有効活用することができます。

かつての生産計画は、現場を熟知したベテランの作業員が立案していました。生産計画をAIで担うことによって、有能な作業員がほかの作業に注力でき生産管理の現場全体での生産性向上につながるのです。

労働負担が減る

労働力不足に悩む現場にも、AI分析ツールが役立ちます。製造現場には、AIに任せられる業務と、人にしか行えない業務があります。業務内容を整理し、一部AIに置き換えて業務を自動化させると、労働負担の減少が可能です。

機器の不具合検知・作業員の安全性確保ができ、顧客の安全性向上にもつながる

AIは、大量のデータを素早く高精度に分析します。音声や動画の認識により、機器や製品の異常をいち早く検知できますし、生産ラインにおけるはさまれ・巻き込まれなどが懸念される危険な作業をAIを搭載した産業用ロボで置き換えることで、作業員の安全を確保します。効率的かつ品質のよい生産現場が実現することで、顧客も安全かつ品質の保たれた製品を使うことができます。

AI分析の活用事例

営業・マーケティング活動に活用

企業に蓄積されている顧客データをAI分析すれば、今後の営業やマーケティング活動を効率的に行うことができます。

EC事業の場合、レコメンド機能により顧客の閲覧履歴から顧客の望む商品表示が可能になります。マーケティング活動においても、あらゆる角度で収集できるユーザーの反応を自動で算出して、見込み顧客に対してより効果の見込める施策を洗い出すこともできるでしょう。

また、AIを搭載したチャットボットでは、音声やテキストを介して見込み顧客とのコミュニケーションをおこなっています。AIチャットボットを企業サイトやサービスサイトなどに組み込むことで、顧客からの問い合わせに24時間対応でき、顧客満足度の向上にもつながります。

人事業務・採用活動に活用

人事評価にもAI分析ツールが有効です。従業員の仕事ぶりをデータ化してAIに分析させることで、客観的な評価を実現します。

さらに、採用活動にもAIが活用されています。応募者のスキルや履歴などをAIに分析させることで、企業に適した人材を抽出しスムーズにアプローチに移せます。また、エントリーシートの分析をAIに任せることで採用担当者の負担を低減できます。

自動運転や交通状況予測に活用

近年注目を浴びている自動運転にもAI分析が組み込まれています。AIが車間距離や歩行者、信号などをリアルタイムに認識し状況を分析。運転速度や走行する方角を調整します。また、GPSや周囲の交通情報を取得し、渋滞予測や目的地までの最適なルートを瞬時に分析することで快適な走行を実現しています。

品質改善(異常検知・予知保全)に活用

事前に、品質の正常値と、基準を逸脱する値を、それぞれAI分析ツールに学習させることで製品の品質管理や異常検知などの判別に活かすことができます。

品質を保証することが企業の価値につながるため、従来の検品業務には人手が介されることが多く、時間とコストがかかっていました。一方、人による作業であるため見逃しも免れません。

これらの業務にAI分析ツールを導入することで作業効率が向上しますし、検品に従事していた作業員をほかの業務に割り、人材の有効活用も可能です。

このように品質管理の現場にAI分析ツールを導入することで、品質と人手不足の課題を同時に解決できるのです。

医療分野やコールセンターへの音声分析の活用

AI分析ツールは、医療分野でもとりいれられています。CTやMRIではAIの画像認識を応用して診断に活かしたり、問診や検体のデータをAIで分析することで患者の健康状態から将来的な疾病の発症を予見したりします。

また、AI分析ツールはコールセンターでも活用されています。AIによる音声認識を活用し、顧客との会話内容を読み取り、声色から感情を推察します。顧客の気持ちを即座に分析し対応策を回答に還元することで、あたかも人が応対しているかのようなスマートな対応を実現します。

画像分析により、中古車査定や顧客の購買心理に応じた対応も

某飲料メーカーでは、SNSに投稿されている無数の画像から商品を飲んでいる画像をAIで選抜し、顧客の心理の分析に活かしています。

また、中古車の査定にもAI分析ツールが役立てられています。中古車には多種多様な傷がありますが、車体についた傷の画像を大量にAIに学習させることで、あらたに査定に入る中古車の画像から傷の種類や深さを判定できるようになりました。これにより、従来作業員の目視による判断と点検業務を省くことができ、査定業務の効率化につなげられています。

AI分析のために必要な手順

AI分析のために必要な手順は下記のとおりです。

・ビジネスゴールと分析ゴールの明確化

・データの準備

・データの前処理

・モデルの作成

・モデルの評価

AIの学習には大量のデータが必要です。ビジネスゴールと分析ゴールを決めてから、適したデータを準備してください。5W2H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように・いくらで)にしたがってデータを準備すると、まんべんなくデータを揃えられます。

ゴールを明確にする

ビジネスゴールとは、売上の向上・コストの削減など、経済的な観点から見た目的を指します。分析ゴールとは、分析した結果で達成すべき目標に到達できたかを定義づける分析手法を指します。

ビジネスゴールと分析ゴールを明確化しなければ、AI分析ツールを導入してもメリットを得られず「費用に対する効果を感じられない」というAI導入時によくある状態に陥ってしまう可能性があります。

データを準備する

AI分析ツールに学習させるデータを準備します。自社データだけでは分析に必要な質・量のデータが揃わない場合もありえますので、統計データのような信頼性の高い外部データを活用する場合もあります。

データの前処理をする

準備したデータをそのまま活用できるケースは少なく、データの前処理が必要となります。テキストデータの場合は、文字数や誤字・脱字をチェックします。また、画像データの場合は、解像度が低い、特別な意味を持たないなどのデータを取り除きます。

データのフォーマットを整えると同時に不揃いなデータを補強したり外れ値は排除するなどの判断も必要です。

モデル作成する

モデル作成とは、AI分析にかかわるアルゴリズムを選定する作業です。AIには数々のアルゴリズムがあり、アルゴリズムとは「演算方法」を意味します。AIが高精度な分析を実行するためには、分析内容と相性のよいアルゴリズムを選ぶ必要があります。

最後にモデル評価する

モデル評価とは、AI分析ツールの分析時間・分析精度・解釈性などの評価です。解釈性が高いとは、分析ツールの導き出した結果を人が納得できる状態を指します。AI分析ツールを使いこなすためには、解釈性も重要なポイントとなります。

まとめ

AI分析ツールはさまざまな業界・分野で活用されています。社内でAI分析を活用するためには、プログラミングやデータ分析にかかわる専門知識が必要です。

近年は便利なツールが開発され、プログラミングやデータ分析の課題を解決するソリューションが登場しています。AI分析ツールの開発に適した人材がいなければ、ツールやソリューションベンダーを活用しましょう。

EAGLYSでは、顧客が直面するビジネスイシューに対応できるAIモデルを設計し提供しています。AIを検討した企業の約半数が、実証実験まででプロジェクトをストップしてしまう現状を踏まえ、ビジネスイシューの特定から協業することができます。

確実に運用できるAI分析基盤を設計したい方や何からAIプロジェクトに手を付けて良いか悩んでいるという方はぜひ一度お問い合わせください。

先述したように、必要なデータのみをクラウドに送信するエッジAIであれば、セキュリティを強化して利用できます。機密性の高いデータや、個人情報などを送信しなくてもよいため、情報漏洩のリスクを下げられます。