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【リサーチャー&エンジニア】“研究から実装”にこだわるEAGLYSは、先端技術と本気で向き合える場所

作成者: EAGLYS株式会社|Aug 7, 2024 2:01:34 AM

EAGLYS  Researcher & Engineer 服部 大地

学生時代

岡山大学の工学部を専攻し、情報セキュリティ研究室に所属していました。好きな数学を追究すべく、選んだ学問は楕円ペアリングです。楕円ペアリングは研究のみにとどまらず、数学を実装することが実感できる点に魅力を感じていました。

また、ペアリング写像の高速化の実践や、さまざまな企業の方々と共同開発も行いました。その時、実装のために学んだのが、バックエンド開発やIoT機器でサービスを提供する知識です。このときに実装した暗号の高速化手法が、後日準同型暗号の高速化に使えることを深く理解していなかったですねとにかく、研究を実装できることに楽しさを感じていた時期でした。

就職活動

IT系(Webなど)の大手企業からスタートアップまで、幅広く見るところからスタートしました。今までの数学に関する研究や勉強を生かしたいと思い、軸にしたのが、暗号にたずさわる研究職やエンジニア職です。就職活動をする中で「自分は新しい数式を見出して研究することより、研究を実装することが得意」という自己分析も進み、企業選びのフォーカスがよりに定まり始めたことを覚えています。

大手企業が多く募集する総合職は、担当する研究内容が不確定なことが心配でした。入社時まで配属先がわからないためです。セキュリティエンジニア職について検討する機会もありましたが、自分には合わないように感じていました。仕事を通してさまざまなお客様に自分の研究や実装を見ていただきたいという思いがあり、内部に対するサービスよりも外部向けのサービスを提供している会社に興味があったからです。

そんな中出会ったのが、自分が追究してきた学問と向き合える数少ない会社のEAGLYSです。入社後の仕事が「準同型暗号の研究や実装」と明確で、かつ私が大事にしている「研究から実装へ」という理念を強く持った会社で、自分とマッチしていると考え入社を決めました。面接時に感じた雰囲気のよさも決め手の一つです。

入社後

入社後から現在にかけて「準同型暗号(CKKS)を使用した機械学習(サポートベクター回帰)の実装」と、それを「プロダクションのAPIに落とし込む開発」を行ってきました。暗号と機械学習、双方の仕組みを深く理解する必要がある「準同型暗号を使用した機械学習の実装」は、難易度の高い業務です。EAGLYSはその分野に精通したエンジニアが多く在籍しており、そういった方と共に本気で先端技術に向き合える場所だと思います。なので時に心強いサポートも得られますし、同じ志を持つ方と仕事ができて日々楽しいです。

お客様とPoCも進めさせていただいていて、数百件のデータセットにおいて、暗号状態で異なる組織のデータを結合してモデルを作成することに成功しました。初期は3日ほどの実行時間が必要でしたが、大学時代に習得した暗号の高速化技術で約1時間まで短縮できたんです。それがサービスで動いているのを見たときは、やりがいを強く感じましたね。

準同型暗号は平文と比べて演算速度が非常に遅く、また一部の演算が実現できないこともあり、暗号化状態での機械学習モデルの作成にはまだ膨大な時間がかかります。これを実用的な応答速度にすることは、さまざまな研究機関や企業が挑戦している大きな課題です。

今後について

準同型暗号の課題は、解決できる余地が残っていると考えています。準同型暗号と機械学習の両方向からの数学的アプローチや、実装面でのハードウェア、通信プロトコルの見直し……など、まだできることがあるからです。弊社では、このような研究・実装に興味がある方(インターン生含む)を募集しています。共にこの面白い技術を社会実装できること、楽しみにしています。

 

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