Solution Use Case

事業者間のデータ連携プラットフォーム構築

秘密計算技術
AI解析
フェデレーテッドラーニング

事業者間でのデータ連携におけるセキュリティと秘匿性の課題を秘密計算で解決。データのシームレスな利活用で真のデータドリブン経営を実現

変化の大きい市場需要や技術の進化に併せ、データを活用する動きが浸透してきました。サプライチェーン間でのシームレスなデータ共有が実現すれば、店舗のPOSデータから逆算し生産量や在庫調整が精緻にできるようになり、店舗ごとの棚割変更や地域ごとのマーケティング施策へも反映できるようになります。

しかし、複数の事業者間でのデータ連携にはセキュリティや秘匿性への懸念がつきもので、開示範囲を調整するデータ加工作業やデータ共有環境が必要となり、コストも時間もかかります。
このページではイーグリスの秘密計算技術を活用したデータ連携プラットフォームを用いて、サプライチェーンの事業者間や異業種間で秘匿性を担保しながらセキュアにデータを共有し、新しい価値提供や新規ビジネスを生み出したケースについて紹介いたします。

Issue よくある課題

競争環境は日々スピードを増す中、データ活用は個社の業務効率化だけでなく、業界全体やエコシステム全体等会社を超えた最適化へ発展する動きが起きています。サプライチェーン内の企業間でデータ連携ができれば、生産管理にはじまり、配送状況や倉庫の納品管理、小売店舗での購買データや人流の関連性に至るまでシームレスに把握できるようになります。これにより商品の生産量調整による廃棄ロスの削減や在庫管理・配送の効率化による欠品率や納品率の改善、棚割の変更やマーケティング施策の展開等による販促等、様々な業務改善へ利用できるようになります。

しかし、すべてのデータを連携するハードルは高く、実現に向けては開示範囲のコントロールやデータの秘匿性の確保が重要になります。また、同じグループ企業であっても異なる企業であるため、グループ会社同士ですらデータの連携が進んでいないのが現状です。

From Developing ideas to Collaboration

構想策定から協働してアイデアを具現化

異業種間でのデータ利活用を秘密計算で実現。
高精度な需要予測と物流の効率化を支援

異なる業種や企業間でのデータ共有には多くのステップを必要とします。そもそも他社とのデータ連携を前提としたシステム構造や業務設計をしていないため、同じグループ会社であっても会社が違えばルールが異なり、使いたい側は都度申請やネゴシエーションをおこなう必要があります。
また、共有自体は認められている場合でも、すべてのデータを共有できるわけではなく、データの機密性が高いほど開示範囲の調整のための加工作業が必要になります。

このようにシステム要件をクリアしている場合でも匿名加工の作業が発生し、思うようにデータを活用できず都度の匿名化作業が生じる等、シームレスなデータ利活用に向けてはセキュリティと秘匿性という障壁を乗り越えなければなりません。

食料品やCPGのサプライチェーンでイーグリスの秘密計算技術を活用したケースでは、秘密計算技術によって秘匿化したままデータを共有できるゲートウェイDataArmor Gate DBを用いて、各企業間のデータを相互に活用できるようなデータ連携基盤を構築しました。

例えば、卸業者の在庫データと小売業者のPOSデータを暗号化したままクラウド上の秘密計算データ連携基盤に保管。カラム単位でデータ開示範囲をコントロールしながら参加企業が扱いたいデータを抽出して分析統計に活かす等、秘匿性を担保したまま活用することで、需要予測の高度化による廃棄ロスの低減や出荷・在庫管理業務の効率化、共同配送等、サプライチェーン全体の生産性の向上へ寄与することができます。

AI algorithm design technology

AIアルゴリズム設計技術

グループ企業間のデータも秘匿化したまま共有し分析を効率化。高精度で柔軟な分析を実現

某グループ会社では実店舗やECの購買データ・行動データ等、グループ内の様々なデータを掛け合わせマーケティング戦略や需要予測をおこなう際、セキュリティ担保のためのマスキング作業が必要でした。膨大なデータ量とデータ種別に対応するため、データの匿名化(マスキング)作業に毎回数週間もの時間がかかっていました。また、加工後に使えるデータは一部の取引データに限定されるため、データ精度の低下や分析の都度、加工範囲を変更して匿名化をおこなう等、データ分析の重要度が増すほどに肥大化する工数が大きな課題でした。

イーグリスは秘密計算技術を活用したソフトウェアDataArmor GateDBをデータウェアハウス(DWH)へ適用することで、データ加工の暗号化による自動化と分析データの精度の維持の両立を実現し、秘匿性を担保したままデータ管理コスト・分析コストを削減しました。

また、BIツール上で分析をおこなえるようUI開発をおこなうことで、現状の操作性は変えず、業務の効率化とセキュリティレベルの向上を達成しました。今後は分析データの範囲を広げ、新しい価値提供や新規ビジネスの検討にも活用していくための基盤としての活用も視野に入れています。

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